解説

議事録AIエージェントとは — 会話をどこで取り込むかで分かれる5つの型

会議や通話の音声を取り込み、文字起こしと要約を自動で作る仕組みです。実装は「会話をどこで取り込むか」で分かれ、会議ツールに組み込まれた型、会議に参加させる外付けの型、電話の通話基盤側で取る型、携帯キャリア側で取る型、対面の会話を手元の端末で取る型の5つがあります。型ごとに成立の前提が違い、会議ツール内蔵型は管理者によるライセンスの割り当てと文字起こしの設定、通話基盤型は通話録音そのもの、キャリア型は音声を受け取るサーバー、対面型は手元の端末が先に要ります。先に決めるのは製品名ではなく、残したい会話がどこで起きているかです。

5つの型と、それぞれの利点と弱点

この語に業界共通の定義はありません。ただ、主要な製品ドキュメントに並んでいる機能を読むと、実装は「会話をどこで取り込むか」で分かれます。以下は Microsoft、Google、AWS、楽天モバイルの各ドキュメントに記載されている内容と、当サイトの掲載データをもとに整理したものです(出典は末尾)。

1. 会議ツールに組み込まれている型

会議ツール自身が文字起こしと要約を作る型です。Microsoft Teams の intelligent recap は、会議や通話が終わったあとに、AIが作ったノート、推奨されるタスク、誰がいつ話したかを示す話者のタイムラインマーカー、会議を区切るチャプターとトピックを Recap タブから見られると記載されています。Google Meet の「Take notes for me」は、会議のメモを Google ドキュメントにまとめ、そのドキュメントは会議の主催者の Google ドライブの「Google Meet」フォルダーに保存され、Google カレンダーの予定に自動で添付されると記載されています。

利点は、記録を見られる人の範囲が会議の枠と揃っていることです。Teams のイベントでは intelligent recap を使えるのは主催者・共同主催者・発表者だけで、出席者はアクセスできないと明記されています。Google Meet はメモの共有範囲を管理者が「招待されたゲスト全員」「組織内の招待されたゲスト(既定)」「主催者と共同主催者」から選べると記載されています。

弱点の1つ目は、ライセンスと管理者の設定が前提になることです。Microsoft は、Teams を含む Microsoft 365 のサブスクリプション(または Microsoft 365 と別の Teams ライセンス)に加えて、Teams Premium ライセンスまたは Microsoft Copilot ライセンスを割り当てる必要があると記載しています。audio recap については Microsoft Copilot ライセンスの割り当てが必要と、別に明記されています。そのうえで intelligent recap を使うには文字起こしをオンにする必要があり、録画を許可するポリシーを割り当てない場合は、録画・話者・トピック・チャプターの無い recap になると明記されています。電話網(PSTN)の通話も対象にするには、Teams Phone ライセンスと通話プランが別に要るとされています。Google は「対象となる Google Workspace のエディション、または Google AI プラン」が必要と記載しており、管理者向けの案内では Business Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plus が挙げられています。

2つ目は言語です。Google Meet は「この機能は一度に1つの言語だけを扱います。同じ会議で複数の言語が話される場合には現在対応していません」と明記しており、対応する言語として英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語を挙げています。Teams には参加者ごとの言語へ recap を翻訳する機能がありますが、公開プレビューと記載されており、一般提供ではありません。日本語と英語が混じる会議を想定しているなら、ここは先に確認する箇所です。

3つ目は、出力の側にも条件が付くことです。Teams の video recap は会議が10分以上であることが条件で、文字起こしはしていても録画していない会議では使えないと明記されています。audio recap も公開プレビューで、生成されたものはユーザーの OneDrive に60日間保存されると記載されています。

対象になる会議と通話の種類も決まっています。Microsoft は intelligent recap の対象として、Teams クライアントや Outlook で予定した会議、今すぐ会議、イベントと、PSTN・1対1・グループのピアツーピア通話を挙げており、audio recap は予定された会議でだけ使えると記載しています。対象はそのツールの中で開いた会議と通話です。

2. 会議に参加させる外付けの型

会議ツールとは別のサービスが会議に入り、文字起こしと要約を作る型です。掲載では Otter.ai と Fireflies.ai がこの型にあたります。Otter.ai は Zoom・Google Meet・Microsoft Teams への自動参加に対応し、デスクトップアプリ・モバイルアプリ・Chrome の拡張機能・ウェブ版から使えると公式サイトに記載されています。Fireflies.ai は Google Meet・Slack・Aircall・RingCentral のほか、音声・動画ファイルの取り込みに対応すると記載されています。

利点の1つ目は、取り込む経路が製品の側に用意されていることです。会議ツールに組み込まれた型が自分のツールの会議と通話を対象にするのに対し、この型は対応する会議ツールやファイルの取り込みが製品ごとに公表されています。ただし上のとおり両者が挙げている経路は同じではないので、使っている会議ツールが含まれるかは個別に確認が要ります。

2つ目は、できあがった議事録を外部のAIから引ける口が用意されていることです。Otter.ai は、ChatGPT や Claude などのAIチャットツールが Otter の MCP サーバーを通じて会議の知識に安全にアクセスできると公式サイトに記載しています。Fireflies.ai は2026年8月31日に、MCP サーバーを一般提供へ移行したと公式ブログで発表しています。

弱点の1つ目は、会話が会議ツールとは別のサービスに渡ることです。どのサービスに何が保存され、誰が見られるのかを別に管理することになります。

2つ目は、外部のAIから引く口に接続先ごとの条件が付くことです。Fireflies.ai の公式ドキュメントでは、ChatGPT は Plus・Team・Enterprise、Claude は有料プラン(Pro・Team・Enterprise)が必要と案内されています。「MCP に対応している」と書かれていても、繋ぐ側の契約が別に要る場合があります。

3つ目は、コンタクトセンターの応対履歴として使うことを前提にすると、公表されている機能がその向きではないことです。電話の会話をまったく扱えないわけではなく、Fireflies.ai は Aircall と RingCentral というクラウド電話の名前を挙げています。ただし当サイトの対応チャネルの欄は、Otter.ai と Fireflies.ai のいずれにも登録がありません。この欄は公式サイトの記載をもとにした登録で、掲載ページの本文にはこの欄に無いチャネルへの言及がある場合があります。そして応対品質の評価や後処理の短縮といった、コンタクトセンターの運用に直接あたる機能を公式サイトに挙げているのは、次の型3のうち PKSHA Speech Insight・AmiVoice Communication Suite・QuickSummary2.0 です。電話が主戦場なら、どちらの型で拾うかを先に決めてください。

3. 電話の通話基盤側で取る型

コンタクトセンターや電話業務の側で通話を録り、その録音と文字起こしから要約を作る型です。掲載では PKSHA Speech Insight、AmiVoice Communication Suite、QuickSummary2.0、Clari Copilot、amptalk analysis がこの型にあたります。

利点の1つ目は、電話の応対そのものが対象になることです。PKSHA Speech Insight は「高精度な音声認識技術で、顧客応対を正確に書き起こし・要約。ACWの削減とSVのモニタリング業務の効率化を推進」と公式サイトに記載しています。QuickSummary2.0 は通話内容のテキスト化と自動要約の用途として、「生産性の向上」「FAQ の整備」「オペレータの評価」「VoC 分析」を挙げています(かぎ括弧内は公式サイトの表記です)。要約が後処理や応対品質の評価と同じ流れに載るのがこの型です。

2つ目は、いま使っている電話基盤に繋ぐ形が具体的に公表されていることです。AmiVoice Communication Suite は IP-PBX およびクラウドPBXサービスとの接続先として、Avaya(Communication Manager シリーズ)、NEC(SV シリーズ・Aspire シリーズ)、Genesys(PureConnect・PureCloud・Cloud)、富士通(CL シリーズ・LEGEND V シリーズ)、Amazon Connect、OKI(CTstage シリーズ)、リンク(BIZTEL)、Bright Pattern Contact Center、コラボス(@nyplace)、Asterisk 系の名前を挙げています。

弱点の1つ目は、通話録音が前提になることです。AWS は Amazon Connect の管理者ガイドで、音声の問い合わせについて「conversational analytics を使うには、担当者と顧客の両方の通話録音が必要です」と明記しています。録音を止めている運用では、要約以前に解析が始まりません。

2つ目は、話者の人数に制約があることです。AWS は「conversational analytics は最大2者までの通話に対応します」と記載し、担当者と顧客の2者を超える通話や第三者への転送では、文字起こしや感情分析、伏字などの品質が下がるため、その場合は無効にすることを勧めると書いています。会議の議事録と同じ感覚で多人数の通話に当てると、期待した結果になりません。

3つ目は、要約が作られないことがあることです。AWS の API リファレンスは、通話後の要約が失敗するコードとして、双方に最低1ターンずつの発話が無い場合、対応していない言語を使っている場合、同時実行数の上限に達した場合などを挙げています。要約の長さも最大1,762文字と定められています。

4つ目は、個人情報の伏字が万能ではないことです。AWS は伏字機能について、機械学習による予測であるためすべてを取り除けるとは限らないとしたうえで、米国の HIPAA のような医療のプライバシー法が求める非識別化の要件は満たさないので、伏字のあとも保護対象の健康情報として扱うことを勧めると明記しています。

なお AWS は、通話後にまとめて解析する方式と、通話中にリアルタイムで解析する方式を選べるようにしており、通話後の方式について「最も高い文字起こし精度が得られる」と記載しています。どちらを選ぶかで文字起こしの精度が変わることが、公式の手順に書かれています。

4. 携帯キャリア側で取る型

携帯電話の通話を、端末やアプリではなく回線を提供するキャリアの側で録る型です。楽天モバイルは2026年1月13日に、法人向けのオプションサービス「最強録音」の提供を開始したと公表しています。OS標準の電話アプリでの通話を自動で録音し、音声ファイルを圧縮・暗号化して顧客が指定した受信サーバーへ送ると記載されています。YouWire Mobile は NTTドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズに対応し、通常の発信・着信の操作だけで自動的に録音されると記載しています。

利点の1つ目は、端末にアプリを入れさせなくてよいことです。OS標準の電話アプリがそのまま対象になるため、外回りの担当者が使う社用携帯にも配りやすくなります。会議室にも電話基盤にも乗らない、移動中や訪問先の通話がここで拾えます。

2つ目は、専用線を用意しなくてよいことです。楽天モバイルはインターネット経由で音声ファイルを送れるため、データ転送用の専用線などを準備する必要はないと記載しています。

3つ目は、金額が先に分かることです。楽天モバイルは初期費用を通話録音グループあたり 11,000円(税込)、月額を1回線あたり 1,045円(税込)と公表しています。この分野で金額が公開されている例は多くありません。

弱点の1つ目は、録音した音声を受け取るサーバーを自分で用意することです。楽天モバイルは注記で、受信サーバーの利用料金は別料金だと明記しています。上の月額はあくまで回線側の費用です。

2つ目は、この型が出すのは音声ファイルであって議事録ではないことです。文字起こしと要約は別の仕組みが要ります。YouWire Mobile は通話録音データのテキスト化をオプションとしたうえで、商談や会議の議事録作成の際の補助ツールとして利用できると記載しています。議事録まで持っていくなら、テキスト化と要約をどこで行うかを合わせて決めることになります。

3つ目は、契約に紐づくことです。楽天モバイルの「最強録音」は「Rakuten最強プラン ビジネス」の利用が条件と記載されており、申し込みも「my 楽天モバイル Office」からはできず、サービスページからの問い合わせか営業担当への連絡が必要とされています。回線を替えると録音の仕組みごと替わります。

5. 対面の会話を手元の端末で取る型

会議ツールにも電話にも乗らない、その場の会話を残す型です。Google は「Take notes for me」を対面の会議でも使えるようにしており、端末を近くに置くとその端末が Gemini を使って会議を記録すると記載しています。手順は Android・iPhone/iPad・パソコンのそれぞれについて用意されています。カイクラは「通話録音・顧客管理・AI解析をこれ1つで実現する、現場のための電話業務DXツール」と説明し、電話・スマホ・対面・SMS などの会話を録音・記録してAI解析まで一元管理すると公式サイトに記載しています。

利点は、店頭や訪問先など、これまで記録が残らなかった会話を残せることです。カイクラについては、電話だけでなく対面やSMSの会話も対象にする点が他社と異なると公式サイトに記載されています。

弱点の1つ目は、必要なプランがオンラインの会議と同じことです。Google は対面での利用についても「対象となる Google Workspace のエディション、または Google AI プラン」が必要と記載しています。対面だから手軽に始められる、というものではありません。

2つ目は、保存先と見られる範囲が会議の枠と揃わないことです。Google は対面の場合、メモの文書は機能をオンにした人のドライブのフォルダーに保存されると記載しています。オンラインの会議で主催者のドライブに保存されカレンダーの予定に添付されるのとは、扱いが違います。誰の手元に記録が残るのかを運用で決める必要があります。

3つ目は、言語の制約がオンラインと同じであることです。一度に1つの言語だけで、同じ会議で複数の言語が話される場合には現在対応していないと記載されています。

5つのどれにも収まらないものもあります。樹林AI は、メール・チャット・通話・フォローアップの自動化を掲げる汎用のAIエージェントで、対応チャネルとして電話・チャット・メールのほか WhatsApp・LINE・Slack・Teams・Zoom などを挙げています。掲げられている機能はコミュニケーションの自動化、ナレッジ管理、日常業務の自動処理、AIダッシュボードと予測分析の4つで、文字起こしや要約には触れていません。取り込み口が広いぶん、議事録として何がどこまで出るかは公式サイトの記載からは絞れないので、用途を決めて確認することになります。

実際の製品はこの5つのうち複数にまたがることがあります。YouWire は固定電話・ソフトフォン向けの Office、携帯向けの Mobile、対面向けの Meeting、Web会議向けの WebMeeting という構成で、NTTドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズ、PBX/IP電話、Teams Phone、Microsoft Teams・Zoom・Google Meet、対面録音(iOS/Android)への対応を公式サイトに記載しています。クラウドタイプでは Mobile や Meeting を併用する場合に同一サーバーで一元管理できるとしています。2026年2月12日には「YouWire MCP Server」の提供を開始し、Claude や ChatGPT から通話データを検索・分析できるとしています。金額の記載はありません。

ただし取り込み口が広いことと、議事録として何が出るかは別の話です。YouWire は通話録音サービスとして説明されており、テキスト化はオプションとして案内されています。またぐ製品を見るときも、録音までなのか、文字起こしまでなのか、要約まで出るのかを分けて確認してください。

比較するときは製品名の一覧ではなく、残したい会話がどこで起きているかを先に決めて、その型の前提(ライセンスと管理者の設定/別サービスへの受け渡し/通話録音/回線契約と受信サーバー/会話を拾う端末)を自社が満たせるかで見ると噛み合います。

判断に効く論点

ここからは、上の5つの型を実際に選ぶときに確認する箇所を5つ挙げます。並びは優先度ではありません。どれが効くかは、選ぶ型と、自社の会話がどこで起きているかで変わります。

論点1: 作った議事録をどこへ入れるか

できあがった議事録をどこへ入れられるかは、製品によって分かれます。掲載データで見ると、外部システムへの連携先を公式サイトに具体名で挙げているものと、そうでないものがあります。PKSHA Speech Insight は Salesforce・FastHelp5・API 経由の CRM 連携を挙げています。amptalk analysis は、Salesforce の項目に合わせて必要な情報を自動抽出し、入力・更新するマッピング機能をニュースリリースで公表しています。QuickSummary2.0 は BIZTEL との連携と、応対品質評価の自動化システム Enour QualityPartners への採用を記載しています。一方でカイクラは40以上のサービスと連携すると記載していますが、具体的な製品名は記載されていません。

会議ツール内蔵型は、出力先がそのツールの中です。Teams の recap は Recap タブから見るもので、audio recap は OneDrive に60日間保存されると記載されています。Google Meet のメモは Google ドキュメントに保存され、カレンダーの予定に添付されると記載されています。基幹の業務システムへ入れるには別の手当てが要ります。

論点2: 外部のAIやほかのシステムから議事録を引けるか(MCP/A2A)

当サイトは公式サイトに言及があるものだけを「一般提供」「早期アクセス」「予定」に分けて記録しています。「議事録・要約を自動化したい」に分類している掲載9件のうち、MCPへの言及があるのは Otter.ai と Fireflies.ai の2件で、どちらも会議側の製品です。電話に対応と記載のある7件では、公式サイトにMCPへの言及を確認できていません。A2A については9件とも言及を確認できていません。議事録を外部のAIから引くことを前提にするなら、この分野では型が絞られます。

段階の違いにも注意が要ります。Fireflies.ai は2026年8月31日に、MCP サーバーを一般提供へ移行したと公式ブログで明記しており、それ以前はβとして提供されていました。Otter.ai は MCP サーバーの提供を公式サイトに記載していますが、段階を示す表記(β・早期アクセスなど)はなく、当サイトが一般提供として分類しています。「対応」と書かれていても、いま誰でも使えるかどうかは別です。

なお、議事録・要約を主目的としない製品まで広げると、電話に対応と記載があってMCPに言及している掲載はあります。当サイトの掲載では Amazon Connect Customer・Agentforce・Kore.ai Agent Platform が一般提供、Zendesk AI と MiiTel が早期アクセス、Genesys Cloud CX が予定です。通話の記録を外へ渡すこと自体が目的なら、議事録の製品だけでなく、いま使っているコンタクトセンター基盤の側も見てください。記載が無いことは対応していないことを意味しませんので、必要な場合は提供事業者にご確認ください。

論点3: いま使っている電話基盤から音声を取り出せるか

型3を選ぶ場合、要約の出来より先にここで詰まります。AmiVoice Communication Suite のように接続先の機種名を公式サイトに並べている製品もあれば、記載が無い製品もあります。機能一覧には出てこない項目なので、早い段階で確認してください。

この前提そのものを動かす発表も出ています。RevComm は2026年9月10日に、既存のPBX環境を変更せずに通話音声をリアルタイムで音声解析AIに取り込む「MiiTel Incoming WebSocket」の提供開始を発表しました。型3を検討するなら、機能の比較より先に、いま使っている電話基盤から音声を取り出せるかを確認してください。

論点4: 言語と話者の前提を満たすか

同じ「議事録」でも、扱える言語と人数の前提は型ごとに違います。Google Meet は一度に1つの言語だけで、複数の言語が混じる会議には現在対応していないと記載しています。Teams の参加者ごとの言語への翻訳は公開プレビューです。AWS は最大2者までの通話に対応すると記載しています。掲載側では、樹林AI が105以上の言語に対応すると公式サイトに記載しています。多言語の会議や3者以上の通話を想定しているなら、型を決める前にここを当ててください。

論点5: 金額が先に分かるか

「議事録・要約を自動化したい」に分類している掲載9件のうち、公式サイトに金額を公開しているのは Otter.ai の1件です。Basic は無料、Pro は1ユーザーあたり月額 $8.33(年払い)/$16.99(月払い)、Business は $19.99(年払い)/$30(月払い)と記載されており、Enterprise の金額は公開されていません。

PKSHA Speech Insight は、初期費用と利用席数に応じた月額費用(ID課金)の構成で、最低10席から契約可能と公式サイトに記載していますが、具体的な金額の記載はありません。体系だけが公表されていて金額が無いものは、当サイトでは「金額の記載なし」として扱います。残る7件も公式サイトに金額の記載がありません。つまりこの分野は料金では絞り込めず、型を決めてから見積もりを取ることになります。当サイトは公式サイトに記載がある金額だけを掲載しており、相場や一般論で補うことはしません。

最近の動向

ここからは、当サイトが毎日拾っているニュースピックアップから読みます。2026年8月から9月にかけてこの分野で出た発表は、要約そのものの作り方より、音声の取り込み口と、できた要約の渡し先に寄っています。

渡し先では、テクマトリックスが2026年8月20日に、コンタクトセンター向けCRM「FastHelp」と丸紅I-DIGIOグループの音声認識サービス「MSYS Omnis」の連携サービスを同日から提供開始すると発表しました。通話内容をリアルタイムに音声認識してテキスト化し、AIが生成した要約や全文記録を FastHelp の応対履歴へワンクリックで登録でき、連携プラグインを設定するだけで追加のシステム開発は不要としています。論点1に挙げた「どこへ入れるか」を、製品側で先に埋めた形です。

取り込み口では、RevComm が2026年9月10日に「MiiTel Incoming WebSocket」の提供開始を発表しています。PKSHA Technology は2026年8月19日に、複数の音声AIエンジンを統一APIで管理する「PKSHA Voice KIT」の提供開始を発表しました。要件や環境に応じてエンジンをリアルタイムに切り替えられ、エンジンを変えてもシステムの作り直しが不要になるとしており、会議録の作成、コンタクトセンター、製造・建設現場での利用を想定した企業向けサービスと位置づけられています。料金体系についてはプレスリリースに記載がありません。

外へ渡す口では、Fireflies.ai が2026年8月31日に、会議の記録を外部のAIツールから自然文で照会できる MCP サーバーを一般提供に移行したと公式ブログで発表しました。同社は2025年8月21日に Anthropic の Claude Connectors Directory へAI会議ツールとして最初に登録され、それ以降はβとして提供されていたとしています。

今後の見方

ここからは編集部の見解です。根拠は上の掲載データと、前の節に挙げたニュースピックアップです。

編集部が重く見ているのは、この2か月の発表に「要約の作り方を良くした」というものがほとんど無いことです。文字起こしと要約そのものは5つの型のいずれでも一通り出そろっており、発表は取り込み口と渡し先に集まっています。選定で差が出るのは要約の出来ではなく、自社の会話をその型で拾えるか、出てきたものを業務システムへ入れられるかのほうへ移ると読みます。

もう1つは、議事録を主目的とする製品の中では、外部のAIから引ける口が会議側の2件にしかないことです。電話に対応と記載のある7件では、公式サイトにMCPへの言及を確認できていません。一方で、通話を扱うコンタクトセンター基盤の側では、MCPを一般提供として記載している掲載がすでにあります。当サイトのニュースピックアップでも、通話要約をCRMへ標準連携する動きと、既存のPBXから音声を取り出す動きが同じ2か月の間に出ています。通話を要約する製品の側にも、要約したデータを外へ渡す口が用意される方向に動くと読みます。

A2A は別に見ています。この分野の9件はいずれも公式サイトに言及がなく、当サイトのニュースピックアップで A2A に触れた発表も、コンタクトセンターや顧客体験の基盤側に限られています。Genesys は2025年9月9日に Copilots と Virtual Agent の A2A・MCP ネイティブ対応を発表し、2026年9月2日にはパートナーエコシステムの拡大として Sierra や ElevenLabs のエージェントを組み込めるようにすると発表しています。議事録・要約の製品はいま、会話データを外へ渡す口(MCP)を用意する段階にあり、エージェント同士が直接やり取りする A2A がこの分野に降りてくるのはその先だと読みます。年内は0件のままだという見方を、下に予測として登録しました。

材料の偏りも書いておきます。国内でも RevComm が2025年12月23日に「MiiTel MCP Server(β版)」を発表していますが、提供は2026年第1四半期に社内および一部パートナー企業向けとされており、一般の導入企業が使える段階ではありません。一般提供まで来ているのは会議側の製品で、上の読みは、会議側で先に起きたことが通話側にも来るという前提に寄っています。

そこで、ここまでの読みを検証できる形に3つ分けて、下の「この記事の予測と検証」に期限つきで登録しました。期限が来たら結果を書きます。当たりも外れも残します。

選定にあたっては、機能の一覧を比べる前に、残したい会話をその型で拾えるか(電話が対象なら論点3、会議が対象なら型1と型2の前提)と、出てきた議事録をどこへ入れるか(論点1)の2つを先に決めておくことを勧めます。型を決めないまま機能表を並べると、どの製品も同じに見えます。

よくある質問

議事録AIエージェントには、どんな種類がありますか?
主要な製品ドキュメントと掲載データから整理すると、「会話をどこで取り込むか」で5つに分かれます。会議ツールに組み込まれている型(Microsoft Teams の intelligent recap、Google Meet の「Take notes for me」)、会議に参加させる外付けの型(Otter.ai、Fireflies.ai)、電話の通話基盤側で取る型(PKSHA Speech Insight、AmiVoice Communication Suite、QuickSummary2.0、Clari Copilot、amptalk analysis)、携帯キャリア側で取る型(楽天モバイルの「最強録音」、YouWire Mobile)、対面の会話を手元の端末で取る型(Google Meet の対面向けの「Take notes for me」、カイクラ)です。実際の製品は複数にまたがることがあります。
議事録AIエージェントは何をどこまで自動で作りますか?
製品によって出るものが違います。Microsoft Teams の intelligent recap は、会議や通話のあとに、AIが作ったノート、推奨されるタスク、誰がいつ話したかを示す話者のタイムラインマーカー、会議を区切るチャプターとトピックを Recap タブから見られると記載されています。Google Meet の「Take notes for me」は、メモを Google ドキュメントにまとめ、主催者の Google ドライブの「Google Meet」フォルダーに保存し、Google カレンダーの予定に自動で添付すると記載されています。電話の通話基盤側では、AWS が通話後の要約について長さを最大1,762文字と定めており、双方に最低1ターンずつの発話が無い場合や、対応していない言語の場合には要約が作られないと記載しています。
導入の前に何を準備すればいいですか?
選ぶ型によって変わります。会議ツール内蔵型は管理者の設定が前提で、Microsoft は Teams を含む Microsoft 365 のサブスクリプションに加えて Teams Premium ライセンスまたは Microsoft Copilot ライセンスの割り当てと、文字起こしをオンにすることが必要と記載しています(audio recap には Microsoft Copilot ライセンスが必要と別に明記されています)。録画を許可しない場合は、録画・話者・トピック・チャプターの無い recap になると明記されています。Google は対象となる Google Workspace のエディション、または Google AI プランが必要と記載しています。電話の通話基盤側で取る型は通話録音が前提で、AWS は音声について担当者と顧客の両方の録音が必要と明記しています。対面型は会話を拾う端末を近くに置くことが前提で、Google は対面での利用にもオンラインと同じプランが必要と記載しています。
日本語と英語が混じる会議でも使えますか?
型と製品によって扱いが違います。Google Meet の「Take notes for me」は、一度に1つの言語だけを扱い、同じ会議で複数の言語が話される場合には現在対応していないと明記しています。対応する言語として英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語が挙げられています。Microsoft Teams には参加者ごとの言語へ recap を翻訳する機能がありますが、公開プレビューと記載されており一般提供ではありません。掲載側では、樹林AI が105以上の言語に対応すると公式サイトに記載しています。
作った議事録を ChatGPT や Claude から呼び出せますか?
当サイトが「議事録・要約を自動化したい」に分類している掲載9件のうち、MCPへの言及があるのは Otter.ai と Fireflies.ai の2件で、どちらも会議側の製品です。Otter.ai は、ChatGPT や Claude などのAIチャットツールが Otter の MCP サーバーを通じて会議の知識にアクセスできると記載していますが、段階を示す表記はなく、当サイトが一般提供として分類しています。Fireflies.ai は2026年8月31日に MCP サーバーを一般提供へ移行したと公式ブログで明記しており、それ以前はβでした。ただし Fireflies.ai の公式ドキュメントでは、ChatGPT は Plus・Team・Enterprise、Claude は有料プラン(Pro・Team・Enterprise)が必要と案内されています。電話に対応と記載のある7件では、公式サイトにMCPへの言及を確認できていません。議事録を主目的としない製品まで広げると、電話に対応と記載があってMCPに言及している掲載はあります(Amazon Connect Customer・Agentforce・Kore.ai Agent Platform が一般提供、Zendesk AI と MiiTel が早期アクセス、Genesys Cloud CX が予定)。記載が無いことは対応していないことを意味しませんので、必要な場合は提供事業者にご確認ください。
料金はどのくらいですか?
「議事録・要約を自動化したい」に分類している掲載9件のうち、公式サイトに金額を公開しているのは Otter.ai の1件です。Basic は無料、Pro は1ユーザーあたり月額 $8.33(年払い)/$16.99(月払い)、Business は $19.99(年払い)/$30(月払い)と記載されており、Enterprise の金額は公開されていません。PKSHA Speech Insight は初期費用と利用席数に応じた月額費用(ID課金)で最低10席からという体系を公式サイトに記載していますが、具体的な金額の記載はありません。残る7件も公式サイトに金額の記載がないため、料金では絞り込めません。当サイトは相場や一般論で金額を補うことはしません。
  • YouWire

    固定電話・携帯電話の通話をクラウドに録音し、AIテキスト化する。

  • PKSHA Speech Insight

    通話を書き起こして要約し、ACW削減とSVのモニタリング効率化を狙う。

  • AmiVoice Communication Suite

    全通話をリアルタイムにテキスト化し、応対品質評価・感情解析・要約まで自動化する。

  • amptalk analysis

    商談内容を文字起こし・要約・解析し、SFAへ自動連携する。

  • Otter.ai

    会議を自動で文字起こしし、検索できる知識に変える。料金公開・MCP対応。

  • カイクラ

    電話・対面・SMSの会話を記録し、要約からクレーム判定までAIで解析する。

  • QuickSummary2.0

    通話をテキスト化して自動で要約する。CTI 側から呼ばれる要約エンジン。

  • Clari Copilot

    通話を記録・文字起こしし、リアルタイムの示唆と自動要約を返す会話解析。

  • 樹林AI

    メール・電話・チャットの業務コミュニケーションを自動化するAIエージェント。

  • Fireflies.ai

    チームの会話を文字起こし・要約・検索・解析する。MCP対応。

この記事の予測と検証

編集部の読みを期限つきで記録しています。当たりも外れも残します。

  • 当サイトが「議事録・要約を自動化したい」に分類する掲載のうち、公式サイトにMCPへの言及があるもの(段階は一般提供・早期アクセス・予定のいずれでも可)が、2026年9月時点の2件(Otter.ai、Fireflies.ai)から増えます。

    検証前検証期限 2027-03-14

  • 通話や会議の要約を、CRM・SFA・応対履歴といった業務システムへ標準の機能として連携する発表を、2026年9月15日以降のものとして、当サイトのニュースピックアップでさらに2件以上取り上げます。

    検証前検証期限 2027-03-14

  • 2026年12月31日の時点でも、当サイトが「議事録・要約を自動化したい」に分類する掲載のうち、A2A への言及を公式サイトで確認できるものは0件のままです。

    検証前検証期限 2026-12-31

編集部の読みは、当サイトが確認した次の一次情報をもとにしています。

  1. 掲載 株式会社RevComm

    RevComm、既存PBXのまま通話音声をAI解析に取り込む「MiiTel Incoming WebSocket」を提供開始

    出典:株式会社RevComm プレスリリース(PR TIMES配信)

  2. 掲載 Genesys Cloud Services, Inc.

    Genesys、パートナーエコシステムを拡大——MCP対応ツール2万5千件超に接続、SierraやElevenLabsのエージェントも組み込み可能に

    出典:Genesys Cloud Services, Inc. 公式ニュースルーム

  3. 掲載 Fireflies.ai Corp.

    Fireflies.ai、会議データを外部AIから引ける MCP サーバーを一般提供に移行

    出典:Fireflies.ai 公式ブログ

  4. 掲載 株式会社PKSHA Technology

    PKSHA Technology、複数の音声AIエンジンを統一APIで管理する「PKSHA Voice KIT」を提供開始

    出典:株式会社PKSHA Technology 公式ニュース

  5. 掲載 テクマトリックス株式会社/丸紅情報システムズ株式会社

    テクマトリックス「FastHelp」と丸紅情報システムズ「MSYS Omnis」が連携、通話の自動要約をCRMへ標準連携

    出典:テクマトリックス株式会社 プレスリリース(PR TIMES配信)

  6. 掲載 株式会社RevComm

    RevComm、「MiiTel MCP Server」をβ提供へ(2026年第1四半期・社内と一部パートナー向け)

    出典:株式会社RevComm 公式プレスリリース

  7. 掲載 Genesys Cloud Services, Inc.

    Genesys、Copilots と Virtual Agent の A2A・MCP ネイティブ対応を発表(提供は会計年度第4四半期見込み)

    出典:Genesys Cloud Services, Inc. 公式ニュースルーム

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